アルベール・カミュの「生い出ずる石」について : glisserのイメージを中心に

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  • アルベール カミュ ノ ハイイズル イシ ニ ツイテ glisser ノ イメージ オ チュウシン ニ

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説明

type:論文

アルベール・カミュの「生い出ずる石」は,彼が実際にブラジルを訪問した際に記されていた『旅日記』を基に書かれた。様々な現実の要素を小説に取り入れ,それらを有機的に結合させ,一つの完結した世界を創造するには,作品を貫くテーマやイメージが必要となろう。本論文では,基幹となるテーマ(本作品では連帯)を支えるものとして,滑るイメージに焦点を定め,それを車,振り返る身振り,斜面にかろうじて建つ小屋などのテーマ系と絡めながらそのイメージが作中で有している機能を分析した。そして最後に,作品の終結部で主人公が取る行動(石を教会ではなく,貧しい黒人の小屋に運ぶ)の意味を,この滑るイメージとの関連のなかで明らかにした。

収録刊行物

  • 天理大学学報

    天理大学学報 59 (1), 1-17, 2007-10

    天理大学学術研究委員会

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