酒米搗精米ぬかの性状分析

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  • サカマイ トウセイマイ ヌカ ノ セイジョウ ブンセキ

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抄録

酒米搗精米ぬかと米粉について比較検討を行い,以下の結果を得た. (1)白ぬかは米粉より細かい粒子が多く,中ぬか,赤ぬかは粗い粒子が多かった.ただし,白ぬか中には粗い粒子や米の外皮なども含まれていた. (2)いずれの酒米搗精米ぬかも米粉に比べてでん粉の損傷度,糊化度が高くなっていた.白ぬかより分離したでん粉もその損傷度,糊化度が高かった. (3)いずれの酒米搗精米ぬかも米粉に比べて溶解度,膨潤度が高かった.これはでん粉の損傷度,糊化度が高いためと考えられる.白ぬかでん粉は米粉でん粉より膨潤度は高かったが,精製時に冷水可溶性成分が除去されるために溶解度は低くなった. (4)X線回析によって結晶化度を測定したところいずれの酒米搗精米ぬかのでん粉の結晶化度も米粉よりもかなり低かった. (5)いずれの酒米搗精米ぬかも米粉に比べて攪拌粘度が大幅に低下しており,でん粉含量の少ない赤ぬかではほとんど粘度上昇が認められなかった. (6)白ぬかでん粉は米粉でん粉よりは攪拌粘度が低かったが,白ぬかよりははるかに高かった.白ぬかの粘度が低いのはでん粉の損傷と冷水可溶性成分の相乗効果によると考えられる. (7)白ぬかゲルの強度は米粉ゲルのそれよりはるかに低かった.これもでん粉の損傷などの理由が考えられる.またこれが白ぬかの利用を妨げている大きな要因と考えられる. (8)白ぬかの青価は米粉のそれよりも高かった. (9)酒米搗精米ぬかと米粉を走査型電子顕微鏡で観察すると製粉方法の違いに起因すると考えられる粒形態の違いが観察された.

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