BIA(Bioelectrical Impedance Analysis)を用いた屠殺初期における牛肉の電気的特性

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抄録

ウシ枝肉左半丸第6-7肋間横断面胸最長筋部分(n=79)及び同一部分を約3cm厚で切り出した牛肉サンプル(n=22)について、周波数特性分析器を用いて交流電流を5Hz~2.2Mha間の108種類の周波数それぞれについてインピーダンス値及び位相値を測定した2)14)。これらの値からResistance及びReactanceを計算し、Haydenの細胞モデルを適用するために複素非線型最少自乗法を用いて細胞外抵抗(Ω)(以下「Ra」)、細胞内抵抗(Ω)(以下「Rs」)、細胞膜容量(nF)(以下「Cm」)、位相角(rad)(以下「φ」)及びインピーダンスの定量的な指標として細胞内外抵抗比(以下、「Rs/Ra」と表記する。)を計算した5)9)10)12)13)16)17)20)23)25)27。これらの5つのパラメータを牛肉の電気的特徴とし、品種及び筋肉部位の差異について最少自乗分散分析を行った。その結果、ウシ各品種ごとの枝肉胸最長筋の電気的特性のうち、Ra値について、黒毛和種で高、褐毛和種で低、交雑種で高という傾向にあり、Rs/Ra値は、それぞれ高、高、低という特性が認められた。このことより、胸最長筋ではその電気的特性によって品種を特定できる可能性が示唆された。また、ウシ枝肉から切り出した各筋肉部位ごとサンプルの電気的特性は、Ra値は、胸最長筋が低、広背筋が中、僧帽筋が高で、Rs/Ra値は、それぞれ高、中、低という特性が認められた。このことにより、測定部位による電気的特性によって筋肉部位を特定できる可能性が示唆された。

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