高度不飽和脂肪酸と鶏肉のおいしさとの関連性の解明(3) : アラキドン酸油脂添加が肉中のアラキドン酸含量に及ぼす影響

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我々は前報において,アラキドン酸高含有油(AAO)を配合飼料に5%添加することによって,鶏肉のおいしさが向上することを報告した。本研究では,AAOの添加と肉中のアラキドン酸(AA)含量との関係を明らかにするために,AAOの飼料添加割合がモモ肉の脂肪酸組成ならびに味覚へ及ぼす影響について調査をおこなった。試験区はAAO1/2区(2.5%),AAO1/4区(1.25%),AAO1/8区(0.625%),パーム油区(PO区),コーン油区(CO区)の5区とした。各油脂を珪酸と7:3の比率で混合後,仕上げ飼料へ5%の割合で添加し,屠殺前の1週間比内地鶏へ給与した。AAO1/2区およびAAO1/4区は,AAO1/8区,PO区,CO区よりAA含量が有意に高かった。またAA含量はAAO添加の割合が高くなるにつれて,直線的(y=0.6578+0.2911x)に増加した。官能評価では,素材の味の強さにおいて,AAO1/2区がAAO1/8区より有意に高い値を示したが,それ以外の項目については,試験区間に有意な差は認められなかった。以上の結果から,AAOの飼料添加によって,鶏肉中のAA含量を調節できることが示唆された。

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