自治医科大学附属病院におけるABO 血液型不適合腎移植

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タイトル別名
  • ABO-incompatible living kidney transplantation at Jichi Medical University Hospital
  • ジチ イカ ダイガク フゾク ビョウイン ニ オケル ABO ケツエキガタ フテキゴウ ジン イショク

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説明

わが国ではドナーの適応を拡大する一つの方法として,ABO 血液型不適合生体腎移植が数多く実施されている。今回,自治医科大学附属病院におけるABO 血液型不適合腎移植に対して臨床的検討を行った。  2003年4月から2007年12月までに当院で施行した生体腎移植54例中,ABO 血液型不適合腎移植10例を対象(ABO 不適合群)とし,同期間のABO 血液型適合腎移植44例をコントロール群(ABO 適合群)とした。  ABO 不適合群では,移植前1週間より導入免疫抑制薬としてタクロリムス,ミコフェノール酸モフェチル,メチルプレドニゾロンの服用を開始,抗ドナー血液型抗体に対し全例移植前に血漿交換を施行。さらに全例脾摘を施行,バシリキシマブを術当日および術後4日目に投与した。  2008年3月までの成績は,ABO 不適合群では生存率,生着率は各々90%,100%,ABO 適合群では97.7 %,97.7 % であった。急性拒絶反応は,ABO 不適合群2例(20%),ABO 適合群12例(27.2%)に認めた。両群とも重篤な合併症は認めなかった。当院で施行したABO 血液型不適合症例は,その移植成績(患者生存,移植腎生着),急性拒絶反応発生率等において,血液型適合症例と比較し同等であった。わが国の腎移植臨床登録集計報告(2006年実施症例)によれば923例中215例(23.3%)がABO 血液型不適合症例であり,国内のドナーの現状からABO 血液型不適合症例は今後も増加する傾向にあると考えられた。

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