筋組織の再生と委縮

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タイトル別名
  • Regeneration and atrophy of muscle tissues
  • 筋組織の再生と萎縮
  • キン ソシキ ノ サイセイ ト イシュク

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説明

初代精神科リハビリテーション研究センター長の大田喜一郎教授が研究の方向性を示されたことを受けて、ヒトの筋組織についての知見を概述した。ヒトの身体を構成する平滑筋、心筋および横紋筋は形態学的にも、機能学的にも特異な特色を示す。収縮メカニズムは異なるが、筋形質内に含まれるアクチンとミオシンの筋原線維が滑り込むことによって収縮すると言える。三筋いずれの組織も再生能は低い。最近では、マウス心筋において、新生や再生を認める報告がある。胚性幹細胞(Embryonic stem cells , ESC)あるいは人工多能性幹細胞(Induced pluripotent stem cells, iPSC)由来の心筋新生に成功し、in vitro での研究では拍動を続けている。もとの心筋組織の一部となり協調して失われた機能を回復させることが大いに期待される。また横紋筋には筋萎縮がみられる。これは、運動器および神経系の障害によることが多いが、両者に共通して、筋形質内にE3 ユビキチンリガーゼが認められる。今後は、これを指標として適切な対応で患者の回復、日常生活への自立、QOL の向上が期待できる。

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