療養病床における看護職と介護職の業務負担と連携における課題

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タイトル別名
  • Current Status of Work Load Problem of Nurse and Care Staffs in Nursing Homes and Convalescent Wards, and Inter-Professional Collaboration
  • リョウヨウ ビョウショウ ニ オケル カンゴショク ト カイゴショク ノ ギョウム フタン ト レンケイ ニ オケル カダイ

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説明

本調査の目的は,療養病床における看護職と介護職の業務負担の実態を明らかにし,業務負担を軽減するための看護及び介護職員の連携の課題を明らかにすることである

四国地方にある療養病床を有する71 施設の療養病床施設を抽出し,承諾が得られた64 施設に自記式質問紙を郵送した

査対象者は55 施設(回収率75%)に勤務する看護及び介護職員939 名であった.質問紙の回収をもって,同意を得たものとした.質問紙は独自に作成したもので,【バイタルサイン測定】【食事援助】などの看護及び介護業務の7領域について「負担に感じている業務」と「他職種に委任したいと感じている業務」について調査した.職種毎の特徴を把握するためにχ 2 検定とFisher's exact test (Extend) とコレスポンデンス分析を行った

コレスポンデンス分析から他職種に委任したいと感じている業務の関係を見ると,看護師は,【食事援助】【投薬】の下位項目で,有意に負担を感じていた.また看護師・准看護師は【食事援助】【清潔援助】【排泄援助】【移動とリハビリテーション】【更衣援助】の下位項目で,他職種に委任したいと有意に感じていた.一方,介護福祉士及び看護助手は各業務に関して他職種に委任したいと感じている傾向が弱かった.反対に,看護職員は,各業務に関して他職種に委任したいと強く感じている傾向があった

以上の結果から,療養病床施設で看護及び介護職員が連携するためには,看護職員から介護職員に看護及び医療的な視点から助言などを行うこと,また多職種の意見交換などを円滑にするための場を作ることが重要である.さらに,慢性期医療の人員不足などの問題解決がなされるよう社会への啓発を行っていくことが大切である.

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