近世神話としての『古事記伝』 : 「産巣日神」をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • キンセイ シンワ ト シテ ノ コジキデン ムスビノカミ オ メグッテ
  • The Kojikiden as a Modern Myth : Concerning “Musubinokami”

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説明

本居宣長の『古事記伝』は、近代的な古事記研究の先駆として高く評価されているが、一方『古事記』そのものが大きく読み替えられ、作り替えられていく「神話の再解釈・再創造」の実践が見られる。それを象徴するのがタカミムスヒ・カムムスヒを、天地に先立って天地を生み成す神=産巣日大御神へと読み替えたところである。さらに天地創成の主宰神を探求する知の運動は、近世前期の垂加神道から遡って、中世後期の吉田兼倶の神道=「中世神話」へと系譜的に辿ることができる。ここから『古事記伝』を中世神話の系譜とともに、近世社会に屹立する「近世神話」として読み直すことで、近世思想史研究とは異なる『古事記伝』へのあらたな視界を開いていく。

中世日本紀

近世神話

天地創成神

虚無大元尊神

吉田神道

identifier:BO009400003909

収録刊行物

  • 文学部論集

    文学部論集 94 21-36, 2010-03-01

    佛教大学文学部

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