日本語教育における小説の読みの研究方法の提案 : 学習者が冒頭部分から何を読んでいるかに迫るために

書誌事項

タイトル別名
  • A New Research Method for Literary Fiction Reading in Japanese Language Education: To Explore What Learners Read from the Beginning Parts
  • ニホンゴ キョウイク ニ オケル ショウセツ ノ ヨミ ノ ケンキュウ ホウホウ ノ テイアン : ガクシュウシャ ガ ボウトウ ブブン カラ ナニ オ ヨンデ イル カニセマル タメニ

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説明

小説の読みは,間接的・断片的・多層的な形で提示される意味を,ときに漠然と感受することを含む。特に冒頭部分ではこの特徴が顕著であり,短い部分が持つ非明示的な意味の拡がりを,適切に,かつ豊富に感受することが,その後の読みを決定付ける重要性を持つ。日本語教育での学習者の読みの研究は,小説や物語文を扱ったものも含め,タイプA:文章の全体をいかに一貫した表象にまとめ上げて理解するかに注目した研究と,タイプB:オンラインでの個々の言語形式の理解に注目した研究があるが,いずれも使用テキストが長く,短いテキストに含まれる豊富な意味の拡がりの感受の実態に迫ることができない。そこで,新たな研究として,小説冒頭数行を用い,学習者に母語に翻訳してもらった上で,物語内の人物や人間関係,時間や場所,出来事などについて,できる限り隈なく質問するという方法を提案する。これにより,小説冒頭の短いテキストからの多くの内容の感受に迫ることが期待される。

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