バースレビュー実践を再考する

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タイトル別名
  • Reconsideration of practicing “Birth Review”

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説明

バースレビューは分娩想起,出産体験の振り返りともいい,女性に自分の出産体験を自由に語ってもらい,助産師が傾聴してその語りを受け止めていく援助である.しかし,コクランレビューでは,出産がトラウマとなった場合,出産の振り返りは精神的健康に有害であると報告されている.本稿では,我が国で実施されているバースレビューについて,母親になるプロセスにどのような効果があるか,産後の精神的健康への支援になりうるかという2つの問いを設定した.我が国では,バースレビューは出産したすべての女性に出産後早期に実施することが勧められていたが,その一方でバースレビューの実践内容は十分明らかになっておらず,施設によって方法が異なる可能性が示唆された.このような実践状況において,いずれの問いに対しても,十分な研究が行われていなかった.そのため,バースレビューの実践にかかわるエビデンスを蓄積することが急務である. 母子保健施策上の課題である育児不安や産後うつへの対策として2017年に子育て世代包括支援センターが法定化され,妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の整備が進んでいる.これらを踏まえると, 今後のバースレビューの実践を見直すにあたり,周産期の助産ケアに留めるのではなく,継続看護,多職種連携の育児支援に活用することを目指す必要もあると考える.

収録刊行物

  • 三重看護学誌

    三重看護学誌 24 1-7, 2022-03-31

    三重大学大学院医学系研究科看護学専攻

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