関東大学女子ハンドボールリーグにおけるスコア分析を用いた戦術と順位

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タイトル別名
  • League rankings and offensive tactics in Kanto university women’s handball league using analyzing scores
  • カントウ ダイガク ジョシ ハンドボールリーグ ニ オケル スコア ブンセキ オ モチイタ センジュツ ト ジュンイ

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抄録

ハンドボールの攻撃は,主に組織攻撃(SO),速攻(FB)とクイックスタート(QS)がある。そこで本研究は,大学女子ハンドボールを対象にスコア分析を用い,分析項目と順位の関係性からリーグ全体を通した戦術を検討し,また対象大学別のスコア分析から各チーム戦術を検討することによりリーグ順位に応じた目標スコアを明らかにすることを目的とした。関東学生ハンドボール秋季リーグ女子1部で行われた28試合を対象とし,各攻撃をSO,FB,QSに分類した。項目は,攻撃回数,シュート数,得点数,ターンオーバー数,およびこれから算出した攻撃成功率,シュート到達率,シュート成功率,ターンオーバー率とした。攻撃局面ごとの各項目と順位の関係を確認するためにスピアマンの順位相関分析を行った。リーグ順位と攻撃回数(ρ=0.810: p<0.05),ターンオーバー数(ρ=–0.755: p<0.05)には統計学的有意な正の相関関係が検出された。また,リーグ順位と攻撃成功率(ρ=–0.905: p<0.01),シュート成功率(ρ=–0.762: p<0.05)には統計学的有意な負の相関関係が検出された。加えて,有意な相関関係が確認された変数の回帰式は以下の通りであった;攻撃回数(y=1.5986x+35.699),ターンオーバー数(y=0.9575x+8.281),攻撃成功率(y=1.7983x+42.450),シュート成功率(y=1.6834x+52.758)。これらの各回帰式の回帰係数は,対象としたリーグ戦において1つ順位を上げる目標値と考えられる。その為,本研究結果から,攻撃回数,ターンオーバー数,攻撃成功率,シュート成功率の4項目が競技力向上に重要な要因と示唆する。しかし,本研究結果は数学的モデルであり,目標値としての使用は可能と考えるが,実際に目標値が達成できたからといってもリーグ順位が向上しないこともある。

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