新藤兼人の大地と家と人と : その映画監督としての技法

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タイトル別名
  • Shindou Kaneto's earth, house and people : His technique as the film director
  • シンドウ ケン ジン ノ ダイチ ト イエ ト ヒト ト : ソノ エイガ カントク ト シテ ノ ギホウ

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抄録

論文

新藤兼人の監督作品を、その映像を中心に考察し、新藤の長年の創作活動を支えてきた、彼の映画演出の技術を明らかにする。新藤兼人は多作な脚本家であるが、映画監督としての作品には、自らや周りの人間の実体験を作品化するといった共通点がある。そして、その作劇術は、近代劇から着想を得た映画冒頭からのドラマの展開、シチュエーションの繰り返しと差異等が挙げられる。それは同一アングルの繰り返しとして表れ、最後の作品である『一枚のハガキ』にも見られる。また、『一枚のハガキ』で登場人物と共にもう一つの主役としてクローズアップされるのが家そのものである。そして『裸の島』にもつながる天秤棒で水を運ぶラストシーンでは、大地が強調される。それは新藤自身の幼少期の記憶から再現されているならば、私小説的な映画と考えられる。

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