屈折法弾性波探査のコンボリューション法による解析

  • 香川 敏幸
    京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻 ジオマネジメント工学講座環境資源システム工学分野
  • 松岡 俊文
    京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻 ジオマネジメント工学講座環境資源システム工学分野
  • 相澤 隆生
    サンコーコンサルタント株式会社 地盤調査・防災部
  • 林 徹明
    国際石油開発帝石株式会社

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of refraction seismic survey using convolution product
  • クッセツホウ ダンセイハ タンサ ノ コンボリューションホウ ニ ヨル カイセキ

この論文をさがす

説明

屈折波を用いて地盤構造を推定する屈折法弾性波探査は長い歴史を有し,有名な萩原の方法をはじめとして多くの手法が開発されている。しかし,これらの方法は現地で収録された波形から初動走時を読み取り,この初動走時に対して処理を進めてゆくというものであった。本研究では,収録された波形記録に,コンボリューションをはじめとする波形データ処理を施すことで萩原の方法と同様の解析を行うコンボリューション法について検討を行った。コンボリューションとクロスコリレーションの演算は,それぞれ時間領域における位相の足し算と引き算に相当する。このため同一受振点に同じ境界面より到達した2つの波形記録にコンボリューションとクロスコリレーション演算を行うことで,萩原の方法で作図的に行われるのと同等の解析を実施することが可能となる。屈折法の解析において解析結果の品質を大きく左右するのは、初動走時の読み取りである。このため初動読み取りは単純作業ではなく、解析段階において、しばしば再読み取りも要求されるほど重要な過程であり,解析者の熟練を要する。一方、コンボリューション法の利点は初動の読み取りを必要としないことである。さらに解析結果からデータの品質に関しても吟味することが可能となる。本研究では,実際にコンボリューション法により屈折法データの解析を行った結果,本手法の持つこのような利点が確認された。<br>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 63 (4), 311-320, 2010

    社団法人 物理探査学会

参考文献 (21)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ