在家仏教者・辻光文の初期の福祉実践 ―禅宗と在家仏教徒(2)―

書誌事項

タイトル別名
  • Welfare practice in early stages of Lay Buddhist TUJI Koubun ―Zen Buddhism and Lay Buddhist(2)―
  • ザイカ ブッキョウシャ ・ ツジ ヒカリブン ノ ショキ ノ フクシ ジッセン : ゼンシュウ ト ザイカ ブッキョウト(2)

この論文をさがす

説明

児童自立支援施設(当時の教護院)で福祉実践を展開した辻光文は、仏教者として本物の道を求めるにあたって、あえて僧侶にはならず、在家仏教者として生きる道を選択した。27歳の時に初めて児童福祉分野の仕事に出会い、その後、児童自立支援施設の小舎夫婦制を知るにあたって、自分の進むべき道を見出す。後年、辻の仏教者としての歩みと福祉実践者としての歩みは、同一線上に重なり、深い仏教理解による「いのち」への眼差しを根底に据えた独自の福祉実践が展開されることになるが、本稿では、両者の歩みが重なる以前の辻の悪戦苦闘の時代を取り上げる。この時代、辻は、仏教者としても福祉実践者としても苦闘の中にあったが、小舎夫婦制における子どもたちとの境目のない生活を繰り返す中で、子どもたちと辻自身を貫く「いのち」の存在を見つめてゆく。本稿は、辻が後に展開することになる「いのちそのもの」を「共に生きる」福祉の黎明期を考察する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ