日本企業における相談役・顧問制度とコーポレート・ガバナンス・--「CSR企業調査」のアンケートデータによる予備的分析

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タイトル別名
  • 'Senior advisor and corporate governance in Japan
  • ニホン キギョウ ニ オケル ソウダンヤク ・ コモン セイド ト コーポレート ・ ガバナンス : 「 CSR キギョウ チョウサ 」 ノ アンケートデータ ニ ヨル ヨビテキ ブンセキ

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説明

本稿では,2017年度の「CSR企業調査」のアンケートデータを利用して,相談役・顧問制度とコーポレート・ガバナンスとの関係について,クロスセッション分析を行った。分析の結果,取締役数,社外取締役比率,上位10大株主持株比率が相談役・顧問制度の設置(人数)に有意な影響を及ぼしており,コーポレート・ガバナンス構造の弱い企業が相談役・顧問制度を設置している傾向があることが明らかとなった。また,相談役・顧問制度は,アドバイスの必要性が高い,事業内容が複雑な企業(Complex firms)や企業特殊的な知識の重要性が高い企業(R&D-intensive firm)において設置されている傾向があることも明らかとなった。これらの結果は,相談役・顧問制度の設置理由として最も多く挙げられている,経営陣に対するアドバイスの必要性がその決定要因の1つであることを示唆していると同時に,コーポレート・ガバナンス構造が弱い企業ほど相談役・顧問制度の情報開示が妥当な要請であることも示唆している。

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