qSOFA scoreが診断に有効であった敗血症を伴う腸チフス合併妊娠の一例

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  • A case of pregnancy complicated by typhoid fever in which the qSOFA score was effective in the diagnosis of sepsis.

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腸チフスは、発熱を含む全身感染症であり、しばしば菌血症を伴う。症状は発熱、下痢等、非特異的な場合も多い。稀な疾患であるが、合併症として腸出血や腸穿孔の可能性もあり、妊産婦死亡の一因となりうる。今回、敗血症の定義に含まれるq-SOFA scoreが診断に有効であった腸チフス合併妊娠の一例を経験したので報告する。症例は35歳2妊1産。海外渡航歴はなかった。妊娠17週2日より下痢と発熱を認め、第3病日に救急外来を受診した。q SOFA score 2点に該当し、消化器感染症による敗血症を疑い、抗菌薬投与を開始した。第5病日に血液培養検体からS.typhiが検出された。第6病日より解熱し下痢の改善を認めた。第20病日に退院した。妊娠38週3日に既往帝王切開に対して選択的帝王切開術を実施し、母児共に経過は順調であった。妊産婦死亡を減らすためにも、稀な疾患を含めた重篤な感染症を見逃さず、qSOFA scoreを用いた速やかな診断および治療を行うことが重要であると考えられた。

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