豆類太もやしの異なる栽培法による生長と栽培過程および貯蔵中のアミノ酸含量の変化

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  • 技術報告 豆類太もやしの異なる栽培法による生長と栽培過程および貯蔵中のアミノ酸含量の変化
  • ギジュツ ホウコク マメルイ フトモヤシ ノ コトナル サイバイホウ ニ ヨル セイチョウ ト サイバイ カテイ オヨビ チョゾウ チュウ ノ アミノサン ガンリョウ ノ ヘンカ

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抄録

ダイズ、リョクトウ両豆類太もやしの、異なる栽培法による生長と栽培過程および貯蔵中のタンパク質ならびにアミノ酸含量の変化より、タンパク質およびアミノ酸供給素材としての有効性を検討した。 1.異なる栽培法による豆類火もやしの生長 両太もやしともに市場性5).8)より判断すれば、DPSLが最良で収穫適期は栽培(置床)5日となった。一方、CRCでは生長抑制が過度となり、嵩の減少等による収穫量や外観的品質が市場性に劣り、Controlは生長過度となり細もやし様となり、両者ともに太もやしとしての外観的品質が市場性に欠けた。 2.異なる栽培法による豆類太もやしの栽培過程におけるタンパク質およびアミノ酸含量の変化 栽培過程でのタンパク質および総アミノ酸含量は、両太もやしともに原料豆(乾物)に比して、収穫適期の含量は全栽培法で大きく減少したが、栽培法としてはDPSLが最も減少率が抑制された。 栽培過程での変化は、両太もやしともに全栽培法においてタンパク質および総アミノ酸含量ともに、発芽処理時から栽培日数の増加に伴い緩慢に増加し、栽培3~5日が最高となる増加傾向を示した。 タンパク質含量の変化は、総アミノ酸含量の増減と正比例傾向を示した。 各アミノ酸の栽培過程での総合的な増加傾向は、両太もやしともに全栽培法で含硫(Cys)、芳香族(Phe、Tyr)および豆類の制限アミノ酸(Lys、Thr、Trp)が高く、他のアミノ酸は低いことが認められた。 各アミノ酸の増加傾向は、全栽培法で生長抑制効果が有効に働く栽培3日前後では緩慢となり、生長抑制効果が減退する栽培5日以後では顕著となり、タンパク質含量の増加傾向も正比例傾向を示した。 3.異なる栽培法による豆類太もやしの貯蔵中におけるアミノ酸含量の変化 両太もやしの貯蔵中の総アミノ酸含有量の変化は、5±2℃下で貯蔵3日目が最高値を示し、5日目では約1/2となり、以後顕著に減少し貯蔵限界は5日間となった。 貯蔵中の各アミノ酸の増減特徴は、中性(Thr、Trp、Val、Glu)および塩基性アミノ酸(Arg)が増加性と安定性(残存性)に優れ、一方、栽培過程中での増加傾向が顕著な含硫(Cys)および芳香族アミノ酸(Phe、Tyr)は貯蔵中の残存性に劣ることが認められ、他のアミノ酸は増加性および安定性ともに劣ることが認められた。 なお、貯蔵中のタンパク質含量の変化は、総アミノ酸含量とほぼ正比例傾向を示し、安定した残存性を有することが示唆された。 4.豆類太もやしの貯蔵中における総アミノ酸含量に基づく最適栽培法 最適栽培法としては、両太もやしともにタンパク質および総アミノ酸含量ならびに外観的品質による市場性より判断すれば、栽培過程および貯蔵中の増加傾向から、DPSLが最適栽培法であると判断された。 ダイズ、リョクトウ両太もやしは、タンパク質およびアミノ酸供給素材として、米飯を主食とする食形態では、米の第一制限アミノ酸のLysや他の制限アミノ酸のThr、Trpがダイズ太もやしに安定して含有されることより、補食効果を有する事が示唆された。

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