もろみ酢に発生する沈殿物に関する研究

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沖縄の伝統的な蒸留酒である泡盛の副産物を利用したもろみ酢は、泡盛蒸留粕の濾液と糖類(黒糖)を主原料としているが、瓶詰後の製品にしばしばオリ状の沈殿物が生じる。オリの性状は白色系沈殿、褐色系沈殿、粉末状沈澱および泥状沈澱等の多様性に富み、複数の成分が混在していることが推察される。この沈殿物は主に原料に由来しているが、消費者に不安感を与えている。本研究は、もろみ酢中に発生する沈殿物、特に白色系沈澱について原因物質の特定を行い、その沈殿物の生成過程を推測し、除去法及び発生防止策の検討を目的として行った。白色系沈殿物はX線回折分析及び赤外吸収スペクトル測定の結果、シュウ酸カルシウムであることが確認された。また、泡盛黒麹、蒸留粕及び黒糖のカルシウム並びにシュウ酸含有量を検討した結果、シュウ酸カルシウムは黒麹由来のシュウ酸と黒糖由来のカルシウムの反応により発生するメカニズムが推察された。シュウ酸の産生量は製麹条件により異なることが観察され、製麹条件のコントロールによりシュウ酸の産生量を抑制し、沈澱発生の防止が可能であると推測された。

Journal

  • 研究報告

    研究報告 (7), 13-17, 2005-10

    沖縄県工業技術センター

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