地元に水揚げされる魚類(サバ)を用いたすり身製造技術

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  • ジモト ニ ミズアゲ サレル ギョルイ サバ オ モチイタ スリミ セイゾウ ギジュツ

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抄録

石巻魚市場に水揚げされた体重300g未満の生鮮または冷凍小型サバを原料として,すり身製造時のさらし水の重曹濃度,さらし頻度,原料形態(生鮮,冷凍)などを変えたすり身を作成し評価した。1) アルカリさらしの重曹濃度は,血合肉を除いた魚肉の場合は重曹0.25~0.5%濃度が適切であると考えられた。さらし頻度は,原料の5倍量で水さらしをかけた場合,1回ではpHの数値が安定せず,2回以上のさらしでpHが安定することがわかった。2) すり身の外観は,スケトウダラKA級と比較し,冷凍サバA(血合肉無し,3回さらし)では彩度がほぼ同じで色調は黄色側に傾いており,冷凍サバB(血合肉有り,1回さらし)では彩度が暗く,色調は黄色側と赤色側に傾いていた。また,ゼリー強度は,冷凍サバAは冷凍サバBよりも良い弾力を示したが,スケトウダラKA級と比べて非常に小さかった。3) 生鮮と冷凍の原料をもとに,生鮮サバA及び冷凍サバAを作成し,坐り温度と時間を変えて,すり身の品質評価念行ったところ,冷凍サバではゼリー強度が低かったものの,生鮮サバでは20℃24時間坐り・87℃30分加熱の条件でスケトウダラと同等の数値が得られた。このことから,生鮮原料ですり身加工を行うことで小型サバでも既存のすり身に併用,代替可能なすり身原料になりうることがわかった。

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