存在論から見た自立・自律 --M・ハイデガー『存在と時間』の自己論を手がかりに--

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  • 森, 七恵
    日本学術振興会特別研究員・臨床教育学コース博士後期課程1年

書誌事項

タイトル別名
  • Self-help and Autonomy from an Ontological Perspective: According to Heidegger's Concept of Self in "Sein und Zeit"
  • ソンザイロン カラ ミタ ジリツ ・ ジリツ : M ・ ハイデガー 『 ソンザイ ト ジカン 』 ノ ジコロン オ テガカリ ニ

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説明

本稿では、ハイデガーの自己論を手がかりに、教育学における「自立」と「自律」を存在論的な視野から検討する。依存から自立・自律へという発達図式を問い直し、自立・自律を他者との関係性に置き直す近年の教育学の議論に対し、ハイデガーの自己論は何を示すか。『存在と時間』において「自己」とは、「本来的な自己存在」と「ひと-自己」との「様態変化」であり、かつ自己である「事実性」と自己でありうる「実存論性」との統一運動である。そしてこの統一運動が<自立性(Selbständigkeit)>である。というのもそれは、固有な自己でありうる「可能性」(実存論性)の立て続けの「到来」として、立て続けに(ständig)固有の自己(Selbst)になることなのである。ただしその実存論性の到来は、もののもとで、他者と共に在る事実性として成り立つ。そこで、教育学が他者との関係に焦点化して論じる自立・自律は、この立て続けの統一運動としての<自立性>の一部に位置づけられる。

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