神経伝達物質と健康との関係について

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タイトル別名
  • Association between neurotransmitters and health
  • シンケイ デンタツ ブッシツ ト ケンコウ ト ノ カンケイ ニ ツイテ

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抄録

ヒトの生体内では様々な化学物質の合成・分解がさかんに行われている。生体内で合成される化学物質のうち、本論ではとくに脳内での神経伝達物質およびその物質輸送に関与するトランスポーターに注目し、リハビリテーションとの関連について考察した。脳内において神経伝達物質を合成し分泌する神経線維は、一般の神経線維に比較して多くの分岐がみられ、脳内の異なる領域に広く投射する。その細胞体は主に脳幹(中脳、橋、延髄)に散在する。神経伝達物質は、神経末端で特異な酵素活性のもとで合成される類パラクリン分泌様式により分泌され、別のニューロンに神経液性伝達する。分泌部は内分泌腺のように被膜や漿膜に包まれることはなく、血流に乗って標的器官まで運搬されることがないために、ホルモンとは大きく異なる。神経伝達物質は、シナプス後膜の機能性タンパク質である受容体に結合し、広範囲の神経細胞に興奮性、抑制性作用をもたらす。これにはトランスポーターが深く関与している。リハビリテーションへのこれらの化学物質のかかわりとしては、神経伝達物質合成の源となる栄養の適正化、トランスポーターを正しく機能させるために生活習慣の改善、気心のあう仲間とのコミュニケーションなどによる楽しみを生み出す工夫により心身相関効果を高めることが重要である。

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