出生前診断をうけて親になる経験 : Gさんの語り --子どもの生命の危機的状況のなかで--

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  • 岡本, 留美
    京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The experience of becoming a parent following antenatal diagnosis : a case study using episode description
  • シュッショウマエ シンダン オ ウケテ オヤ ニ ナル ケイケン : Gサン ノ カタリ : コドモ ノ セイメイ ノ キキテキ ジョウキョウ ノ ナカ デ

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抄録

様々な出生前診断が広がり, 通常の妊婦健康診査における超音波検査で意図せず子どもの先天異常を知る機会も増加している. しかしながら, 超音波検査で予想外の結果を知ったパートナー(男性)の体験を浮き彫りにした研究は希少である. 本研究では, エピソード記述法を用い, 従来の出生前診断をめぐる言説のなかでは, 語りえないパートナー(男性)の体験世界に迫ることを目的としたGさんの体験から, 胎児不整脈により子どもの生命の危機的状況のなかでも妻と子どもの無事を願いながら, 夫として父親として在り続けた一男性の生き様がうかがえた. それは苦境の中にあっても我が身も顧みず, 一心に妻と子どもを思う気持ちに貫かれたGさん自身の在り様であった. 当事者の体験を詳細に浮き彫りにすることが実感に寄り添った支援のあり方を検討していくうえで重要となる.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 29 1-9, 2020-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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