干しえのきたけを使用した糖尿病患者のための簡単レシピ献立はビタミンD目安量を満たす

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  • ホシ エノキタケ オ シヨウ シタ トウニョウビョウ カンジャ ノ タメ ノ カンタン レシピ コンダテ ワ ビタミン D メヤスリョウ オ ミタス
  • The menu of simple recipe for diabetics using dried enoki mushroom meets the adequate intake of vitamin D

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抄録

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、ビタミンD(VD)の目安量(AI)がこれまでの1.5倍以上の8.5㎍/日に設定された。特に、主菜に肉類を使用した献立では、VDのAIを満たすことが難しく、VDを増加させるための工夫が必要となる。また、糖尿病は就労世代に発症することが多く、就労者は非就労者と比較すると血糖調節が不良であり、職業性ストレスが不規則な食事と関連することから手間をかけた料理ではなく、忙しい人でも簡単に作ることのできる糖尿病患者のための簡単レシピ献立が必要であると考えられている。本研究では、糖尿病患者のための簡単レシピ献立を作成し、干しえのきたけの使用が献立のVD量に及ぼす影響について検討した。干しえのきたけは天日で1時間~5時間乾燥して作成した。簡単レシピ献立の作成は、糖尿病食事療法のための食品交換表第7版を参考に1日1600kcalとし、塩分は1食あたり2.5~3.0g以下、使用する食材、調味料については、カロリーゼロやカロリーオフ等を使用せず、一般的な家庭で使用しているものとし、えのきたけを使用したメニューを入れることを条件とした。えのきたけにはほとんどVDが含まれていなかったが、我々の作成した干しえのきたけは、天日乾燥2時間でVD量が100g当たり108㎍まで増加した。簡単レシピ献立は、3食のうち1食の主菜をVDの多い魚にすればAIを満たすが、1日のうち2食以上の主菜を肉類にした場合は、AIを満たすことができなかった。しかし、2時間天日乾燥した干しえのきたけを使用すれば、1日3食すべての主菜を肉類にしても、AIを満たすことができた。日本人の食事摂取基準(2020年版)のVDのAIを満たすには、魚介類の中でも特にVDを多く含む魚を使用する必要があるが、主菜に肉類を使用したレシピであっても、2時間天日乾燥した干しえのきたけを使用すれば、糖尿病患者のための簡単レシピ献立のVDのAIを満たすことができた。

収録刊行物

  • 食糧・栄養と健康

    食糧・栄養と健康 2 41-50, 2022-03-31

    Otemae University Faculty of Health and Nutrition

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