<論文>ニューヨーク市におけるADNS(地域放課後学校)とアデル・フランクリン --非白人児童をターゲットとした学校拡張運動に関する考察--

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  • 倉石, 一郎
    京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • <Originals>All-Day Neighborhood School in New York City and Adele Franklin --A Consideration on the School Extension Movement Targeting Colored Children--
  • ニューヨーク市におけるADNS(地域放課後学校)とアデル・フランクリン : 非白人児童をターゲットとした学校拡張運動に関する考察
  • ニューヨークシ ニ オケル ADNS(チイキ ホウカゴ ガッコウ)ト アデル ・ フランクリン : ヒハクジン ジドウ オ ターゲット ト シタ ガッコウ カクチョウ ウンドウ ニ カンスル コウサツ

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抄録

本論文は,1930年代半ばから1960年代にかけて,米国ニューヨーク市において展開した学校改革運動のAll-Day Neighborhood School(地域放課後学校;ADNS)を歴史的文脈の中で考察したものである.ADNSとは狭義には,公立学校のオペレーション時間の延長,すなわち授業終了以降,家庭に親が不在の子どもの放課後サービス提供を行った改革運動である.本稿では,この運動を一貫して主導した教育家であるアデル・フランクリンの動向に焦点を合わせ,特にこの事業が,ハーレム地区のような人種的マイノリティが密集する貧困地帯の子どもと親を重点的ターゲットとした点を強調した.ADNSにおける学校拡張の意義の考察に,黒人社会事業家のプレストン・ウィルコクスの「橋渡し」概念が有用であると考え,援用した.ADNSがそれ以前の進歩主義的教育改革運動と一線を画し,中心/周縁という権力的序列関係を無化するもくろみをもつことを明らかにした.

本稿は,日本教育学会第79回大会(2020年8月,オンライン開催)における拙報告「ポストニューディール期における拡張学校の試み:ニューヨーク市におけるADNSの事例から」に基づくものである.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 31 1-14, 2022-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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