含有成分がコマツナのうま味,甘味,苦味に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of ingredients on the umami, sweetness, and bitterness of komatsuna
  • ガンユウ セイブン ガ コマツナ ノ ウマミ,カンミ,ニガミ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

コマツナのおいしさの見える化を目指し,うま味,甘味,苦味に影響を及ぼす含有成分を官能評価と成分分析の両面から検証した。本研究では,野菜の味に深く関わるとされる遊離アミノ酸および遊離糖について,品種間,部位間,季節間で比較検証した。その結果,うま味,甘味,苦味それぞれを呈する遊離アミノ酸含量と各味質の官能評価結果は必ずしも一致せず,含量が最も多かった冬作の葉身においても各々の遊離アミノ酸含量が認知閾値に達しなかった。さらに遊離アミノ酸組成を模した水溶液の官能評価においても水と識別できないことが示された。したがって,遊離アミノ酸単独ではコマツナのうま味,甘味,苦味に影響を及ぼさないことが示唆された。一方遊離糖については,本研究では一貫して成分量と甘味の官能評価結果が一致し,低温期には含量が認知閾値を超えることから,遊離糖がコマツナの甘味に影響することが示唆された。なお,苦味についてポリフェノールとの関係を解析したところ,苦味のある葉身には検出されるが,食味との関連は明らかにならなかった。

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