犯罪予防の2段階の流れ仮説 : 特殊詐欺対策における町内会の機能に注目して

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タイトル別名
  • Neighborhood Association as Crime Prevention Mediator : Two-Step Flow of the Crime Communication Model in Case of Special Fraud Prevention
  • ハンザイ ヨボウ ノ 2ダンカイ ノ ナガレ カセツ : トクシュ サギ タイサク ニオケル チョウナイカイ ノ キノウ ニ チュウモクシテ

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抄録

この10年以上,特殊詐欺は日本における重要な犯罪問題であり続けている。広報啓発からさらに踏み込んで,高齢者の防犯行動の促進が求められている。具体的には,ナンバーディスプレイの使用や常時留守電使用など,ハードウェアを用いた対策である。 本稿は,広報啓発による直接効果ではなく,町内会が媒介者として,特殊詐欺対策の促進機能を果たしている間接効果の存在を検証する。すなわち,特殊詐欺に関する知識,意識,対策行動の3水準において,町内会が「コミュニケーションの二段階の流れ」の媒介者となっているかどうかを検証した。日本全国を対象とした調査と,千葉県在住者を対象とした調査の2種類の社会調査データを分析した。 結果として,特殊詐欺に関して,町内会加入群はより多くの知識をもち,対策につながる意識も高かった。ただし対策行動に関しては,65-74歳高齢者との同居世帯における効果はみられたが,75歳以上高齢者同居世帯における効果はみられず,一貫した結果とはならなかった。

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