培養神経細胞における炎症性サイトカイン誘発性活性酸素に対するビタミンC の効果

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タイトル別名
  • Partial Effects of Ascorbic Acid on Cytokine-Induced Oxidation Stress in Cultured Neurons.
  • バイヨウ シンケイ サイボウ ニ オケル エンショウセイ サイトカイン ユウハツセイ カッセイ サンソ ニ タイスル ビタミン C ノ コウカ

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抄録

ビタミンC(アスコルビン酸)は、ヒトの生体内では作ることができない必須な栄養素である。しかし、脳を含む生体内において、ビタミンC は豊富であるにも関わらず、全身に行き渡される機構については不明な点が多い。特に脳は、血液脳関門に代表されるバリア機構により、水溶性物質の通過が困難であるため、ビタミンC の輸送機構については解明が待たれている。最近、細胞横断型ビタミンC 輸送体の存在が報告された。また、他臓器に比較しても高濃度に維持されているビタミンC の脳における抗酸化性に我々は着目した。我々は、炎症性サイトカイン投与による活性酸素生成に対する抗酸化剤の効果について、主に脂溶性の抗酸化物質を用いて検討をおこなってきたが、本研究においては、サイトカイン誘発性の活性酸素生成に対して、水溶性ビタミンであるL-アスコルビン酸を用いて検討をおこなった。活性酸素種 (ROS : reactive oxygen species)は、生理的状況下において生成され、生体防御のためにも体内でも活発に産生される。しかし、過剰な活性酸素は体内の様々な成分と反応し、細胞を傷害する。我々は、炎症シグナルによって培養神経細胞において誘発される活性酸素に対して、L-アスコルビン酸がどのような影響を与えるか検討をおこない、上皮成長因子、炎症性サイトカインであるインターロイキン-6 および腫瘍壊死因子-α が誘導するROS 産生に対して、弱い、もしくは部分的な減弱効果を及ぼしたことを報告する。

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