エピガロカテキンガレートは高脂肪食とエタノール摂取によるラットの肝障害を悪化させる

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  • Dietary epigallocatechin gallate worsens rat liver injury induced by a high‐fat diet and ethanol consumption

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多量飲酒と高脂肪食誘発性肥満は、肝損傷、脂肪肝および肝線維症の発症を促進することが明らかにされている。近年、メタボリックシンドロームの発生率の増加は、多量飲酒と肥満が相乗的に肝臓損傷とそれに伴う炎症を引き起している可能性がある。一方、茶は世界中で広く普及している飲料である。茶の苦味成分であるカテキンは、ポリフェノールの一種であり、これまでに抗酸化作用、殺菌作用、抗がん作用、血圧降下作用、コレステロール低下作用、血糖抑制作用および抗肥満作用など、多くの生理学的作用が報告されている。本研究では、長期の高脂肪食およびエタノール摂取によるラットの肝損傷に対するエピカテキンガレートの影響について検討した。20匹のWistar系雄ラットを5匹ずつ4群に分け、それぞれ対照群、高脂肪食群、高脂肪・エタノール食群、および高脂肪・エタノール・エピカテキンガレート食群とした。各グループのラットには実験食を8週間自由に与えた。その結果、高脂肪食とエタノール摂取は、ラットの脂肪肝を誘発し、エピカテキンガレートは肝障害を悪化させた。通常摂取レベルでの緑茶に含まれるエピカテキンガレートは安全であると考えられているが、濃縮サプリメントを摂取する場合には注意が必要かも知れない。

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