深い学びを実現する理科学習-知識を関連付けて、様々な場面や文脈で考える単元構成を通して-

書誌事項

タイトル別名
  • フカイ マナビ オ ジツゲン スル リカ ガクシュウ : チシキ オ カンレン ツケテ 、 サマザマ ナ バメン ヤ ブンミャク デ カンガエル タンゲン コウセイ オ トオシテ
  • Science Learning That Realizes Authentic Learning-Through A Unit Structure That Links Knowledge And Considers It In Various Situations And Contexts-

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抄録

これからの時代を担う子どもたちには、学んだことをただ再生するだけの知識ではなく、学んだときとは違った場面や文脈にも対応できる知識(生きて働く知識)を身に付けさせることが求められている。そのためにも、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したりする深い学びを実現することが必要不可欠であると考える。本研究では、深い学びを実現するために、概念地図を使って単元の学習内容を整理し、一覧で捉えられるようにすることで、子どもがもっている知識や学習して得られる知識を関連付けられるようにした。その際、教師が単元で捉えさせたい概念を概念地図にまとめておき、その一部を空所にして、未完成の概念地図を作る。そして、子どもが学習を進める度に適切な言葉や関係を表す言葉を記述して概念地図を完成させていった。(概念地図完成法)また、「5E指導モデル」の考え方を基にした単元構成を考えた。「5E指導モデル」とは、子どもの深い理解をもたらし、科学的な概念を構成する指導方略である。学習指導要領で示されている問題解決の過程と概ね同じ流れであるが、特に「精緻化」の局面において、「探索」の局面とは違った様々な場面や文脈で考えさせることで、知識がそれぞれの場面や文脈とつながり、より理解を深められるようにした。本研究によって、概念地図によって子どもの知識を関連付けたり、様々な場面や文脈で考える単元構成によって子どもの理解を深めたりすることは、深い学びの実現に有効であることが分かった。一方で、十分に理解できない子どももいたため、方法のさらなる改善を図ることが課題となった。

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