成人の場面緘黙当事者がポジティブな効果を感じた体験と望んでいる支援

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タイトル別名
  • Identifying Effective Support for Adults with Selective Mutism Based on Their Positive Experiences and Desires

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抄録

本研究では、成人の場面緘黙当事者がこれまでの自分の人生の中でポジティブな効果があったと感じた体験や望んでいる支援を明らかにし、成人の場面緘黙当事者に対する包括的な支援のあり方を検討した。幼少期から場面緘黙症状があった8 人に半構造的面接調査を行い、質的記述的方法で分析した。ポジティブな効果があった体験として【信頼できる人との出会いと支え】【安心できる居場所での活動】【意欲・モチベーションを高める目標や役割】【自分の力の自覚による自信の獲得】などの10 カテゴリーがあり、今後望む支援としては、【社会的な支援体制の整備】【自己を生かせる場の増加】などの3 カテゴリーを見出した。成人の場面緘黙当事者への支援として、安心と信頼を得られる人や環境を整えることや、自信と意欲を持てる支援と自己努力が認められる環境調整、自己理解を深め他者に自己を説明できる機会の創出が重要であり、そのための社会環境を整えることが必要である。

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