喫煙者に対する看護学生の態度に防煙・禁煙教育が及ぼす影響とその構造

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タイトル別名
  • キツエンシャ ニ タイスル カンゴ ガクセイ ノ タイド ニ ボウエン ・ キンエン キョウイク ガ オヨボス エイキョウ ト ソノ コウゾウ
  • Influence of smoking prevention education on attitudes of nursing students toward smokers and its structure

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説明

2004年に日本看護協会が看護学生の防煙・禁煙教育の推進という方針を打ち出して以降,多くの看護師養成所で看護学生の防煙・禁煙教育が実施されている.本研究では,喫煙者に対する看護学生の態度を明らかにすることを目的とし,防煙・禁煙教育の効果と,防煙・禁煙教育を受けた経験が喫煙者に対する態度にどのように影響したかを構造化した.研究の対象者は最終学年に在籍する33名の看護学生で,年齢は21歳から23歳で,煙草を吸った経験のある者が7名,喫煙者が2名含まれていた.分析の対象は,防煙・禁煙プログラムについての自由記述方式の感想である.質的統合法(KJ法)を用いて分析した結果,看護学生たちは喫煙者に対して,最初は,幻滅,嫌悪などの否定的感情を抱いていたことがわかった.そして,家族や友人など身近な人に禁煙を進めたが成功しなかった体験から,禁煙指導を難しいと感じ,無駄だと諦めていた.また,喫煙は本人の自由で,健康を害してもその責任は喫煙者自身にあり,他人に害が及ばなければよいと考えていた.一方で,喫煙者に対して可哀想など同情の感情も持っていた.しかし,禁煙指導方法の学習が進むにつれて,看護学生たちの考え方は変化し,喫煙者を否定するのではなく,共感し,禁煙の方法を一緒に考える姿勢が必要だと感じ始めた.そして,禁煙指導は困難なことではあるが,看護師には禁煙を推進する責務があり,喫煙者を見放さず,根気強く,取り組む必要があるとの考えに到達していた.看護学生の,喫煙者への態度や禁煙指導に対する考え方は,学習の到達度によって変化していた.入学から卒業までの段階を追った防煙・禁煙教育プログラムは有効であり,入学時の教育に留まるのではなく,継続的に学習を進めていく必要があることが示唆された.

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