英語による日本のガイドブックに見る言説の変選 -2つの出版最盛期におけるマレーとロンリー・プラネット-

HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Changing Discourses in Anglophone Guidebooks on Japan -Two Peak Periods for Guidebooks and the Murray and Lonely Planet Series-
  • 英語による日本のガイドブックに見る言説の変遷 : 2つの出版最盛期におけるマレーとロンリー・プラネット
  • エイゴ ニ ヨル ニホン ノ ガイドブック ニ ミル ゲンセツ ノ ヘンセン : 2ツ ノ シュッパン サイセイキ ニ オケル マレー ト ロンリー ・ プラネット

この論文をさがす

抄録

本稿は, 英語で書かれた日本を紹介するガイドブックにみられる観光言説を, ポストコロニアル理論を用いて分析するものである. 英語で警かれた日本のガイドブックが盛んに出版された時期は2度あり, 19世紀末と20世紀末である. 本稿では, 19世紀の『マレー日本』と20世紀の『ロンリー・プラネット日本』を対象にし, 2つの時期における重要なガイドブックシリーズの日本版にみられる日本の表象を分析する. 目この日本の表象を「旧一新」軸と「東-西」軸という2つの観点から分析し, 日本の観光言説はオリエンタリスト的であると言えるか, さらにそれがいかに変化してきたかについて考察する. 本稿で明らかにしたのは, 2つの時期それぞれにおいて, またそれらの時期の聞にも, 日本に関する観光言説は変化し多様化したということである. そして, この言説の変化は, 英語圏諸国と日本の聞の歴史的出来事や日本の社会的変化及びガイドブックの編集方針に結び付いていることを解き明かそうとするものである. そして, 本稿で取り上げるこれらの日本に関する言説は, 日本を「旧い東洋」として西洋諸国との違いを強調する伝統的なオリエンタリスト言説か, あるいは「旧一新」「東-西」の対比や融合のなかで捉えようとする新しい形のオリエンタリスト言説かのいずれかに当たるものであることを述べる.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 22 63-77, 2013-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ