医療保険制度を支える健康観と政策

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  • イリョウ ホケン セイド オ ササエル ケンコウカン ト セイサク
  • Health Outlook and a Policy that Supports the Health Insuarance System

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抄録

地域保健サービスの提供者として保健行政の現場に身をおく筆者は、日頃から政策と政策を実施する現場との間にある種の乖離があると感じている。本稿のねらいは、この乖離が何であるのか、乖離を埋めるための術があるのかを見出すことにより、医療保険制度改革を目指す政策が現状に沿った形で実施されることを展望することにある。分析手法としては、健康に関する言説分析及び政策の歴史的分析を用いて政策と健康観の変化を追った。また、政策システム論を用いて、政策立案及び政策実施の観点から国・都道府県・市町村・国民という4層それぞれの政策に対する認識を探り、その関係性について視覚化することを試みた。その結果、各層の政策に対する認識のズレにより、掲げられた政策と政策を実施する現場との間に乖離が生じることが示唆された。そこで、各層間の政策に対する認識のズレを軽減させるための方策として、政策システムの全体像を把握したうえで、相互に積極的な議論を行うことの必要性を指摘した。

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