高齢者の回想に及ぼす動作法の効果 : 過去の「想起様式」と懐かしさの「体験型」との関係

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of the Dohsa method on reminiscence in the elderly: The relationship between 'recall' of the past and 'experiencing' nostalgic affect
  • コウレイシャ ノ カイソウ ニ オヨボス ドウサホウ ノ コウカ カコ ノ ソウキ ヨウシキ ト ナツカシサ ノ タイケンガタ トノ カンケイ

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説明

本研究では、高齢者の回想に及ぼす動作法の効果について、主として過去の記憶の「想起様式」と懐かしさの「体験型」という観点から検討した。参加者は、男性7名と女性24名(平均年齢72.4歳)である。動作法の前後で懐かしさ体験尺度を実施し、動作法の体験後に「私」「父」「母」について回想した。また、動作法後に、高齢者用回想機能尺度と主観的健康尺度を実施した。動作法による過去の想起の変化に関する陳述内容をKJ法によって分類した結果、「自然な想起」「肯定的な自己意識とポジティブな想起」「リラックス感と素直な想起」「快適な身体の体験とポジティブな想起」「認知の変化をともなう想起」の5つの想起様式が得られた。また、動作法の前後に実施した懐かしさ体験尺度の得点比を用いてクラスタ分析を行った結果、懐かしさの体験型は、「混合型」「二極化型」「融合型」の3つに分類された。「混合型」と「融合型」の参加者の半数以上は、「認知の変化をともなう想起」様式を示した。「混合型」と「融合型」は、「二極化型」と比較して、「積極的回想」因子と「否定的回想」因子の得点が高いことや、主観的健康度が良好なことが示唆された。

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