酒造好適米新品種「出羽の里」(山形酒86号)の育成

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  • シュゾウ コウテキ マイ シンヒンシュ デワノサト ヤマガタシュ 86ゴウ ノ イクセイ

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抄録

「出羽の里」(系統名:山形酒86号)は,1994年に山形県立農業試験場庄内支場において,良質酒米の育成を育種目標に,「滋系酒56号」(後の「吟吹雪」)を母に,「山形酒49号」(後の「出羽燦々」)を父に人工交配を行い,選抜・育成した大粒心白の品種である。本品種の熟期は中生の晩に属し,中稈で草型は偏穂重型,耐倒伏性は“中”である。いもち病真性抵抗性遺伝子型はPiaと推定され,圃場抵抗性は葉いもち,穂いもちともに“やや強”である。障害型耐冷性は“極強”で,穂発芽性は“やや難”である。「出羽燦々」に比べ,収量性はやや低いが,玄米千粒重は並で,玄米品質は整粒歩合が高く明らかに優る。心白の発現は極めて良く,大きく鮮明である。玄米粗蛋白含有率,醸造後のアミノ酸度は「出羽燦々」並~やや低く,醸造用原料米に好適である。山形県における栽培適応地帯は中山間部で,2004年に山形県の水稲奨励品種(認定品種)に採用された。

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