温州ミカンの花から分離した酵母の同定と清酒醸造特性

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タイトル別名
  • Identification and Sake Brewing Characteristics of Yeast Isolated from Satsuma Mandarin Blossom
  • ウンシュウ ミカン ノ ハナ カラ ブンリ シタ コウボ ノ ドウテイ ト セイシュ ジョウゾウ トクセイ

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抄録

集積培養法によって温州ミカンの花から分離株MK1~3株を得た。その中でMK3株は,生理学的試験と16S rDNA-D1/D2領域およびITS領域の塩基配列に基づいた分子系統解析の結果からSaccharomyces cerevisiaeと同定された。またYeastcidin耐性を有する事から,MK3株が清酒酵母であることが示唆された。MK3株は,清酒もろみにおけるアルコール生産量が17.6%であり,清酒酵母協会9号株と同等の発酵力を示した。MK3株を用いた製成酒は香気成分と有機酸に特徴的な組成を示した。特にMK3株を用いた製成酒は,低いコハク酸濃度,高いリンゴ酸/コハク酸比,高いカプロン酸エチル濃度,高いイソアミルアルコール/イソブチルアルコール比を示した。また,MK3株は高泡を形成せず,TTC還元性がRedであることから,清酒製造に実用可能な株であった。MK3株は,特徴的な風味を形成できる実用酵母として清酒製造での利用が期待される。

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