極早生タマネギの早期育種の可能性

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タイトル別名
  • Feasibility studies for rapid breeding of very early onion
  • ゴク ワセ タマネギ ノ ソウキ イクシュ ノ カノウセイ

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抄録

タマネギの育種を開始するにあたり,必要な条件と解明すべき点を検討した。雄性不稔株が現地採種圃で10個体以上見つけられたが,不稔株はいずれも3月収穫向けの早生品種で,1月出荷向けの極早生品種からは見つけられなかった。極早生タマネギを育成するためには,早生の雄性不稔株に極早生品種を連続戻し交配するなどして,極早生の雄性不稔株を育成する必要がある。頭球を人為的に形成させることで,比較的簡易に栄養繁殖できることが明らかになったことから,個体同士のF1品種の育成について可能性が示された。ただし,個体同士のF1のためには両親の遺伝子型をそれぞれ純系に近づける必要があり,揃いの良い親を探すことに加え,交配~選抜により揃いの良い個体を育成する必要がある。一般的にはタマネギは交配までに2年を要するが,浜松の品種では,実生から1年以内に開花~交配させられる可能性が示された。以上のことから,毎年交配により極早生の雄性不稔個体を育成し,揃いの良い優良個体を栄養繁殖することで,極早生タマネギのF1品種が早期に育成できると期待される。

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