水晒魚肉の加塩ホモジネートのゾル粘度およびゲル強度とかまぼこ形成能との関係

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship of Viscosity and Gel-Strength of Salted Homogenates of Rinsed Fish-Muscles to its Kamaboko Forming Capacity
  • ミズサラシ ギョニク ノ カエン ホモジネート ノ ゾル ネンド オヨビ ゲル

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説明

9魚種の水晒肉から,泡立防止ブレンダーを用いて加塩ホモジネート(HS)とその加熱ゲル(HG)を調製し,HSの粘度およびHGのゲル強度からかまぼこ形成能の推定を検討した。その結果,(1)各魚種HSの粘度とかまぼこゲル(KG)のゼリー強度(JS)との間に高い相関(r=0.86~0.99, p<0.05)があり,各魚種毎に勾配が異なる回帰直線が得られた。(2)HGとKGとのJSの関係は,当然ながら高い相関(r=0.97, p<0.05)が認められ,全魚種を通して一本の回帰直線が得られた。(3)各調製試料の均質性は,HSがKGよりJSや粘度などの測定値のバラツキが小さくて優れ,調製法もHSの方が簡便であった。以上より,魚肉のかまぼこ形成能はかまぼこゲルを直接作ることなく,ブレンダーで調製した魚肉ゾルの粘度またはそれを加熱して得られるホモジネートゲルのゲル強度から推定可能と考えられた。一方,魚肉ゾルの粘度から魚肉のゲル形成能や,鮮度などの品質判定を行なうには,水分や塩濃度の他に魚肉タンパク質の組成および変性度と粘度との関係を今後さらに詳しく検討する必要がある。

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