"悪"はどのように在るのか --主体・客体の観点を中心に--

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タイトル別名
  • How Does "Evil" Exist?: A Review from the Viewpoints of Subject and Object
  • "アク"ハ ドノ ヨウ ニ アル ノ カ : シュタイ ・ キャクタイ ノ カンテン オ チュウシン ニ

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説明

"悪"は茫漠とした概念であり, 人々はそれを曖昧なまま把握していることが多い。本稿では, 宗教や哲学の知見も参考にし, 臨床心理学の理論から悪の性質や構造について検討した。ここで, 悪は関係の破壊性が客体化されたものであると同時に, 創造性や能動性からくる魅力を持ち, 主体的な在り方をするものであった。また, 破壊性が問題となるパーソナリティでは, 悪の定位される状況や, 関係の持ち方が特徴的であり, 悪と関係性を築き, 適切に内包していくことの重要性について考察した。こうした関係性を安全に築いていくために, 日常生活におけるメディアや創作物, 心理臨床において主体のイメージが表現される夢・描画・箱庭などが第三の場として機能していくことが重要となり, その様相についても概観した。悪には危険が伴うが, 成長の契機となるもので, 臨床実践の場でも"bad enough"で在り, 常に悪の本質に迫る営みを続けていく重要性が示唆された。

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