「化け込み記者」下山京子再考 --初期『大阪時事新報』の紙面から--
-
- 松尾, 理也
- 教育文化学コース博士後期課程2回生
書誌事項
- タイトル別名
-
- Rethinking Kyoko Shimoyama, the Reporter in Disguise: From the Articles of Early Osaka Jiji Shimpo
- 「 バケ コミ キシャ 」 ゲザンキョウコ サイコウ : ショキ 『 オオサカ ジジ シンポウ 』 ノ シメン カラ
この論文をさがす
説明
明治末期、高級紙『時事新報』の西における分身として創刊された『大阪時事新報』に入社した下山京子は、「化け込み」と呼ばれる変装潜入ルポを得意とした異能の記者であった。下山は自堕落な人物だったと考えられているが、女性記者の役割が限定されていた時代に、その枠を超える活躍をしたジャーナリストでもあった。夕刊発行のため自前の原稿調達の必要に直面した『大阪時事』で、下山は神戸の高級料亭「常磐花壇」への潜入など新しいニュースのかたちの開発に成功する。それは、首都に比べればニュースが豊富でない大阪でなんとか紙面を埋めるための「ニュースを作る」手法の誕生であり、同時にそれは、かならずしも社会正義の実現や権力の批判にこだわることなく、むしろ底辺への温かい共感に彩られた記事の出現でもあった。しかし、吹き荒れた三面記事批判の前に『大阪時事』は萎縮し、東京に異動した下山も大阪時代の輝きを失ってしまった。
収録刊行物
-
- 京都大学大学院教育学研究科紀要
-
京都大学大学院教育学研究科紀要 66 219-232, 2020-03-26
京都大学大学院教育学研究科
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050566774706147200
-
- NII論文ID
- 120006826738
-
- NII書誌ID
- AA11332212
-
- ISSN
- 13452142
-
- HANDLE
- 2433/250379
-
- NDL書誌ID
- 030480763
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles