エマニュエル・ボーヴ『罠』 —戦争と表象—

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タイトル別名
  • エマニュエル・ボーヴ『罠』 : 戦争と表象
  • エマニュエル ・ ボーヴ 『 ワナ 』 : センソウ ト ヒョウショウ
  • Le Piège d’Emmanuel Bove : la guerre et la représentation

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抄録

エマニュエル・ボーヴ(1898-1945)の『罠』(1945) の評価は大きく二つにわけることができる。一つは「ヴィシー政権下のフランスを的確に描写した」歴史小説,戦争文学としての価値を讃えたものであり,もう一つは「個人の主観の限界」という20世紀的命題にしてボーヴの長年のテーマであるものの探求の,一つの到達点であるとするものである。前者はボーヴの「表象」の精緻さの賞賛であり,後者は「表象」の限界の告発を賛美している。本論では,こうした相反する二つの性質を読み解きながら,『罠』の両義性の今日的な意味を考察する。

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