北海道産米粉の粉体特性と加工適性の解析

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  • Analysis of the characteristics and processing suitability of Hokkaido-grown rice flour

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抄録

道産米3品種を用いて,粉砕機と前処理条件の組み合わせにより15種類の米粉を調製し,一般成分と粉体特性を測定した。タンパク質量やアミロース量については品種の差が確認できたが,損傷デンプン量,平均粒径,粒子の形状といった粉体特性については,品種よりも粉砕条件の違いが関係しており,損傷デンプン量は平均粒径と吸水力,および浸透速度と高い相関が認められた。調製した米粉を用いて,スポンジケーキ,グルテン添加米粉パン,押出式による麺,米粉濃度12%のゲルについて加工試験を行い,それぞれの特性値を測定した。これらの加工試験における特性値と米粉の特性値について解析したところ,ケーキの特性は損傷デンプン量,平均粒径,吸水力,浸透速度の4項目,グルテン添加米粉パンの特性は損傷デンプン量,吸水力,浸透速度の3項目,押し出し麺の特性は吸水力の1項目,12%濃度の米粉ゲルの特性はタンパク質量とアミロース量の2項目と高い相関が認められた。以上の結果から,加工適性の特性値と高い相関が認められた項目は,米粉の品質指標として用いる項目であると考えられた。

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