中国人日本語学習者の文章理解に及ぼす音韻処理自動化の影響 --語彙音韻符号化・ポーズ・読みの流暢さという視点から--

  • 康, 楠
    教育学研究科教育認知心理学コース博士後期課程1回生

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of automatic phonological processing on Japanese text comprehension among Chinese intermediate Japanese language learners: from the viewpoint of word phonological decoding, pause taking, and reading fluency
  • チュウゴクジン ニホンゴ ガクシュウシャ ノ ブンショウ リカイ ニ オヨボス オンイン ショリ ジドウカ ノ エイキョウ : ゴイオンイン フゴウカ ・ ポーズ ・ ヨミ ノ リュウチョウサ ト イウ シテン カラ

この論文をさがす

説明

第二言語としての日本語の教育において、初級を超えた学習者を対象とする読解活動に音読を行うべきかどうかの判断は、現時点では難しい。その検討のためには、学習者の日本語音韻処理に焦点を絞り、音韻処理の自動化と文章理解の関連をまず明らかにする必要がある。本研究は中国人日本語中級学習者の音韻処理プロセスに着目し、語彙音韻符号化、ポーズ頻度、及び文章音読の流暢さという視点から音韻処理自動化の特徴を取り上げ、単語音読課題、文章音読課題、および文章理解課題を実施した。その結果、音韻処理自動化と文章理解成績の相関関係および影響関係が検証された。具体的には、語彙音韻符号化、ポーズの頻度、及び読みの流暢さは文章理解と中程度の相関を示し、また、語彙音韻符号化の正確性とポーズ頻度は、それぞれ文章理解課題の成績に有意に寄与し、文章の理解成績に直接に影響を与えていることが示された。本研究の結果は、中国人日本語学習者における音韻処理の自動化と文章理解の関連を明らかにし、日本語の読解能力の育成に教育的示唆を提供した。

収録刊行物

参考文献 (21)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ