自閉スペクトラム症における「つながり」に関する一考察

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タイトル別名
  • A Study on "Connection" in Autism Spectrum Disorder
  • ジヘイスペクトラムショウ ニ オケル 「 ツナガリ 」 ニ カンスル イチ コウサツ

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説明

本稿は、現在提唱されている様々な自閉スペクトラム症の理論について、「つながり」という観点から見直すことで、自閉スペクトラム症の新たな見方を提供することを目的とした。精神分析的な観点から自閉スペクトラム症を理論化したMeltzerやTustinは、付着同一化や自閉対象という言葉を用いて、自閉スペクトラム症者の外的対象とのありかたを「密着したもの」であると考えた。またユングの時代には自閉症という概念はなかったものの、それと類似する内向型を検討すると、自閉スペクトラム症にはつながりの断絶という特徴があるのではないかと考えられた。それらの概念を事例の中でも見るために、自閉スペクトラム症の当事者の著作を用いて事例検討を行った。そこでは、自分の身体とこころのつながりの不全、思考のつながりの独特さ、他者とのつながりの難しさ、物事における部分的で深いつながりのありようがみてとれた。今後はこの「つながり」という観点について、実証的に検証していく必要があるだろう。

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