理念的なものはいかに教えられるのか --概念理論をめぐる初期ベンヤミンの現象学研究を手がかりに--

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タイトル別名
  • How Can We Teach the Ideal? Focusing on Walter Benjamin's Early Phenomenological Studies on the Concept Theory
  • リネンテキ ナ モノ ワ イカニ オシエラレル ノ カ : ガイネン リロン オ メグル ショキ ベンヤミン ノ ゲンショウガク ケンキュウ オ テガカリ ニ

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説明

本稿の目的は、初期のヴァルター・ベンヤミンが新カント派およびフッサール現象学派からの影響のもとに行なった哲学的研究の思想史的な検討を通じて、感性的な経験によって歪めることなく理念を提示するという青年期以来の彼の困難な課題がどのように哲学的に深められていったかを明らかにすることである。これまで彼のこうした非経験論的な側面は、理念的なものと直観的なものの媒介を強調するメディア論的なベンヤミン解釈によって覆い隠される傾向があった。それに対して本稿は、新カント派のエルンスト・カッシーラーや現象学派のパウル・リンケからの影響のもとで独自の概念理論を探究する「エイドスと概念」という遺稿に着目し、それを経験論や心理学主義との対決という当時の思想史的な背景を踏まえつつ読解することで、感性的な経験から切り離された理念がいかにして現実世界のなかで示されるのか、という問題に対する彼の応答を解明する。

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