農業法人における従業員の戦略的人的資源管理(SHRM)に関する研究 : ダイバーシティ・マネジメント(DM)からのアプローチ

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on Strategic Human Resource Management (SHRM) in Agricultural Corporations : Approach from Diversity Management (DM)
  • ノウギョウ ホウジン ニ オケル ジュウギョウイン ノ センリャクテキジンテキ シゲン カンリ(SHRM)ニ カンスル ケンキュウ : ダイバーシティ ・ マネジメント(DM)カラ ノ アプローチ

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抄録

本研究の目的は、日本の農業企業における新規就農者の確保と育成に関連する問題に焦点を当て、持続可能な経営のための人材育成に多様性をどのように結び付けるかを明らかにすることである。具体的には、戦略的人的資源管理(SHRM)、企業経営戦略、ダイバーシティマネジメント(DM)及びHRMマッチングなどの概念を構成要素として分析フレームワークを構築する。そのフレームワークに沿って2つの仮説を設定し、仮説の検証を通じてこれらの関係を明らかにする。すなわち、「農業法人における戦略的人的資源管理(SHRM)は企業の経営戦略(外部環境と内部環境を含む)と一体になって形成され、HRM戦略とHRMマッチング及びダイバーシティ・マネジメントを通じてHRM成果や経営成果に影響を与える」(H1)と「ダイバーシティ・マネジメントはSHRMに規定されると同時に経営成果からも影響を受ける」(H2)である。仮説を検証するために、ケーススタディ、構造化インタビュー、複線径路等至性モデル(TEM)などの定性的分析方法を用いる。以下の分析結果が得られた。本研究で取り挙げられた事例の共通点は農業法人の代表が経営に人的資源管理を取り組んでいることである。しかし、ダイバーシティ・マネジメントについては、積極的に経営に活かす事例はS社のみである。したがって、農業法人は持続可能な経営を実現するためには、従業員の多様性を活かすことを念頭に置いた施策群を策定・実行し、経営者や管理職及び従業員が多様性を活かす経営の有効性を認知させる事が重要である。

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