インターンシップの教育効果の規定要因に関する分析

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  • An Analysis of Factors on the Educational Effects of Internship

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抄録

1997年の三省合意以降、大学における教育プログラムとしてのインターンシップが急速に推進されるようになり、正課科目としてインターンシップを実施する大学の割合は2014年に全体の7割を超えた。また近年では、インターンシップを大学改革の中心として捉え、より教育的効果の高いインターンシップを組織的に推進することが求められている。一方で、インターンシップには多様な形態や目的が存在し、標準的なモデルが確立されているわけではないことや、インターンシップの教育効果に関する研究(特に教育効果の構造に関する検討)が不足していることが課題とされている。 そこで本研究では、教育効果の高いインターンシップの要件を明らかにするため、その規定要因となる要素を仮定し、職業観・勤労観や社会人基礎力といったインターンシップによる教育効果との関係性を定量的に分析した。結果、職業観・勤労観の涵養には「成功体験」と「振り返り・フィードバック」が正の影響を与えており、社会人基礎力の養成には「目的・目標の設定」、「協働体験」、「成功体験」、「自己理解の深化」などが正の影響を、「受入先のプログラム設計」が負の影響を与えていることが明らかとなった。このことから、教育効果の高いインターンシッププログラムをデザインするためには、①学生が協働する機会を十分に盛り込むこと、②プログラムが最終的に成功体験で終えるようデザインすること、③振り返りやフィードバックの時間を十分にとり、自己理解を促進すること、④インターンシップにおける学生の行動を制限しすぎないことの4点が重要であることが示唆された。

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