仏教の教え〈怨憎会苦(おんぞうえく)〉と態度としての臨床ソーシャルワーク : キリスト教の教えと対比して

書誌事項

タイトル別名
  • Duḥkha which is taught in Buddhist as the association with the unbeloved, and the attitudes in Clinical Social Works : Comparing with Christianity Teaching.
  • ブッキョウ ノ オシエ 〈 エンゾウカイク(オンゾウエク)〉 ト タイド ト シテ ノ リンショウ ソーシャルワーク : キリストキョウ ノ オシエ ト タイヒ シテ
  • ブッキョウ ノ オシエ 〈オンゾウ エク〉 ト タイド トシテノ リンショウ ソーシャル ワーク : キリストキョウ ノ オシエ ト タイヒシテ

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抄録

私たちは,生まれた時から多様な人間関係に組み込まれて生活を営んでいる。そこでは,関係する相手を自ら選べず,出会った人と学校生活,職場生活や近所付き合いをしなければ日常生活に支障をきたす。日常生活だけでなく,対人援助の専門職であるソーシャルワーカーも,たとえ好まない相手が相談に来ても拒否することは倫理上,許されない。また,どんなに厳しく好まない環境が訪れても,そこで支援を展開することが求められる。 こうした避けて通れない状況を,仏教では広い意味で「怨憎会苦(おんぞうえく)」といい,対処の心得を教えてきた。この仏教の教えは,気づかないうちに私たち日本人の精神構造に深く根づいている。一方,西洋発祥のソーシャルワークはキリスト教の教えを起源とし,基盤としている。それゆえに,キリスト教の教えそのままに,日本でソーシャルワークを展開するとき違和感を覚える。日本人の精神や生き方に溶け込んだ,その差異を考慮する必要があろう。 本稿では,仏教の教えとキリスト教の教えの事例の一端を比較することでより,日本でのソーシャルワークの基本的な態度に,仏教の教えが現れていることを明らかにする。

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