事業構造の転換と人事処遇制度改革 ― 電機企業を事例に ―

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  • ジギョウ コウゾウ ノ テンカン ト ジンジ ショグウ セイド カイカク : デンキ キギョウ オ ジレイ ニ

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抄録

[概要]電機・電子産業は,90年代後半から急速に世界市場シェアを急速に低下させたが,それに伴い電機企業の経営も悪化し,2000年代には数次にわたる希望退職募集などリストラを余儀なくされた。電機企業は,事業構造転換により,経営の再構築を図ることになった。とくに日立製作所や富士通は,デジタル化やグローバル化を基軸に事業構造の組換えを行い,経営状況を改善させた。事業構造の転換に伴い,人事処遇制度の転換も進めた。それが,いわゆるジョブ型雇用・ジョブ型賃金である。ただし日立製作所や富士通など日本企業が導入しているジョブ型雇用・ジョブ型賃金では,職務等級も抽象的で成果評価も導入するなど,欧米で主流となっているジョブ型雇用とは異なっており,日本的ジョブ型雇用と言うべきものである。日本的に変容されたものとはいえ,ジョブ型雇用が普及・定着すれば,日本的雇用システムを変容させる可能性がある。

収録刊行物

  • 商経学叢

    商経学叢 70 (2), 279-297, 2023-09-30

    近畿大学商経学会

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