プロ野球史における「天狗倶楽部」の立ち位置を考える : 「みる」「みせる」野球の流れのなかで・・・

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タイトル別名
  • Considering the Position of “Tengu Club” in the History of Professional Baseball : In the Flow of Baseball in "See" and "Show" ...
  • プロ ヤキュウシ ニ オケル 「 テング クラブ 」 ノ タチ イチ オ カンガエル : 「 ミル 」 「 ミセル 」 ヤキュウ ノ ナガレ ノ ナカ デ …

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抄録

研究ノート

2023年の日米野球界はMLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手の活躍や国別対抗戦ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本の優勝が大きな話題を集め、日本のプロ野球でも人気の阪神タイガースの38年ぶりの日本一で盛り上がりをみせた。野球の楽しさを満喫した年であった。では、その野球を「みる」楽しさ、野球を「みせる」意識はどこに端を発しているのか? 筆者は野球が日本に“輸入”された明治期にすでに「みる」「みせる」意識の萌芽があったと考える。新橋アスレチック倶楽部を結成した平岡熈によって始まる「野球をみせる」意識はその後、早稲田大学野球部出身者を中心に結成された「天狗倶楽部」に受け継がれた。このクラブは勝利を目的に結束する集団ではなく、多士多彩な会員が緩やかに連帯していた集まりである。野球界の堕落ぶりを批判する東京朝日新聞の連載をきっかけに1911年に巻き起こった「野球其害毒」論争では野球擁護の論陣を張り、東京朝日に対抗したことで知られる。しかし、プロ野球の歴史に登場することは少ない。改めて「天狗倶楽部」を再評価し、その野球史における立ち位置を論じる。

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